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2021-01-15 15:00:00

 新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のパンデミックにより人類は未曾有の危機に陥っています。
 日本国内で、最初のCOVID-19の感染例が確認されてからちょうど1年を迎えた2021年1月15日に、人と動物の医療や公衆衛生、環境保全に携わる機関・団体は、次なるコロナを防ぐため、「人と動物、生態系の健康はひとつ、ワンヘルス共同宣言」を発表しました。

 COVID-19を含む新興感染症発生増加の背景には、森林破壊や農業の拡大といった環境破壊があると考えられています。環境破壊が進んだ過去50年間に、新たな人獣共通感染症(人と動物の共通感染症)の発生頻度は高まり、毎年3~4つの新興感染症の発生が確認されています。その多くが、自然破壊に伴い接触機会が増えた、野生動物に由来にすると指摘されています。

 次のパンデミックを防止し、人や動物が健康に、そして自然と共に生きられる社会を実現していくためには、予防的アプローチである「人」「動物」「生態系」の健康をひとつと考え、これを守っていく、ワンヘルス(One Health)の実現が必要不可欠です。

 この共同宣言では、12団体が、ワンヘルスの構成要素である3つの健康を守るため、それぞれの立場、分野の垣根を超えて、ワンヘルスにかかる課題や知見を共有し、次のパンデミックを防ぐために連携して取り組む意志を明らかにしています。

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人と動物、生態系の健康はひとつ

~ワンヘルス共同宣言~

 

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行(パンデミック)により、人類は歴史的な危機に陥っています。近年、COVID-19を含む新興感染症の発生が増加する傾向にあり、これらの約7割が人獣共通感染症(人と動物の共通感染症)であると考えられています。このような感染症発生の背景には、人類が自然環境におよぼしてきた負の影響、すなわち地球規模の異常気象、大規模な森林の破壊、土地利用の転換や農業・畜産業の拡大、さらに野生動物の商取引・消費といった問題があると指摘されています。人に感染しうるウイルスは最大で827000種類あると推測されるなか、予防的対策にかかるコストはパンデミックによって被る被害額の100分の1と推計されており、今こそ予防的アプローチによる、人と自然が共に生きられる社会の実現が急務となっています。

 

私たち、人と動物の医療や公衆衛生、環境保全に携わる機関・団体は、日本、そして世界での新興・再興感染症の発生予防、パンデミック防止に向け、「人」「動物」「生態系」の健康をひとつと考えるワンヘルス(One Health)の理念のもと、それぞれの力を集結、連携し、さらに政府との対話を通じて、下記に取り組んでいくことを誓います。

 


 

生態系の健康を守ります

 

  • 地球規模での人間活動の拡大が、森林伐採などの自然破壊を引き起こし、新興感染症の発生要因となっている現状を認識し、環境問題の危機を訴えていきます。
  • 新興感染症の発生や新たなパンデミックを防ぐために、生態系を構成する健全な生きもののつながりに配慮し、これまでの過度の自然環境への立ち入りや過剰な利用を含む野生動物との関わり方を見直していきます。
  • 地球上の生態系が、人と動物の生命を支えていることを忘れず、その保全と回復に取り組み、そのための行動を社会に呼びかけます。

 

動物の健康を守ります

 

  • 私たちが接触する動物には、ペット(コンパニオンアニマル)や家畜だけでなく、暮らしの中で意識することは少ない多くの種類の野生動物も含まれていることを強く認識します。
  • 人と動物の間で感染症が伝播することを認識し、動物たちとの距離感を見つめ直し、適切な関わり方を考えていきます。また、感染症リスクの高い野生動物の利用や取引を削減していきます。
  • そのために私たちは、病原体の保有リスクを含めた野生動物の生態への理解向上や、家畜や野生動物の健全性のモニタリング、ペットや家畜の感染症対策、飼育動物の福祉向上を進めます。

 

人の健康を守ります

 

  • 健全な生態系の確保は、人の身体的・精神的な健康と豊かさにつながることを強く認識し、より多くの人に訴えていきます。公衆衛生に深刻な脅威をもたらす気候変動、森林破壊、水質汚染といった環境問題を、国際、地域、様々なレベルでの協力・連携のもと解決し、心身両面の健康に貢献することを目指します。
  • 生態系の保全、生物多様性の確保、飼育動物との適切な関係の構築を通じて、人獣共通感染症(人と動物の共通感染症)、薬剤耐性菌の蔓延、食品汚染などによる健康被害を防止し、公衆衛生の向上に貢献します。
  • ワンヘルスの考え方や諸活動について、幅広い世代の市民に啓発し、ポストコロナのライフスタイルを創生し、人と自然が共に生きる社会の実現を目指します。

 

生態系の健康、そして動物の健康を守ることが、人の健康を守ることでもある、という事実を認識し、これら3つの健康をひとつの健康と捉え、守っていきます。

2021年1月15日

英語版はこちら!

pdf 共同宣言書_英語翻訳版_FINAL.pdf (0.01MB)



呼びかけ団体名(12団体 五十音順);
 国際自然保護連合日本委員会(公財)世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)、(公社)東京都医師会(公社)東京都獣医師会(公社)日本医師会(公財)日本自然保護協会(公社)日本獣医師会(公財)日本野鳥の会日本ワンヘルスサイエンス学会人と動物の共通感染症研究会認定NPO法人 野生生物保全論研究会、(一社)リアル・コンサベーション


2021-01-09 12:16:00

皆様

 

講演会のご案内です。

締め切りが近くて恐縮ですがよろしくお願いします。

 

pdf フォーラムちらし.pdf (0.26MB)


2021-01-06 06:45:00

今西錦司さん生誕119年

 

今日は、今西錦司さんが生まれて119年になります。来年の今日は、120年、何か記念イベントが欲しいところです!

 

1902年度1月6日生まれ。

 

短く言えば、生態学者で人類学者です。

 

詳細は、こちらのサイトが分かりやすいです!

 

https://www.ifsa.jp/index.php?imanishikinji

 

また、NHKアーカイブもお勧めです。

 

https://www2.nhk.or.jp/archives/jinbutsu/detail.cgi?das_id=D0009250007_00000

 

私が今錦さん(略称)を知ったのは、大学に入ってからです。

 

下宿の同級生が読書家で、バイトして、金を貯めては、神田の古本屋街に行き、紙袋に入るだけ自然系の本を買い漁ってました。

 

その同級生と共通する学者が今錦さんでした。

 

自宅にある書籍は;

『生物の世界』(講談社文庫/新版中公クラシックス 2002年)

『私の進化論』(新思索社、新版2000年)

『進化とはなにか』(講談社学術文庫、初版1976年)

『私の霊長類学』(講談社学術文庫)

『私の自然観』(同)

『自然学の提唱』(同)

『生物社会の論理』(平凡社ライブラリー)

『人間以前の社会』(岩波新書)

『人間社会の形成』(NHKブックス:日本放送出版協会)

などです。

 

特に『私の自然観』は、自然を愛し、山に魅せられてきた今錦さんの自然に立脚した雄大な「今西学」が構築されたものです。山、探検、渓流、季節、アフリカ、文化と進化などに名文をつづったこの本には、今西自然観のエッセンスが詰め込まれてます。人間と自然との間に垣をつくらず、人間も生物の延長にすぎないと考える一方、生物もまた人間と同じように主体性をもち社会をもつと考える自然観には、西欧の自然観を凌駕する、これからの自然観が、書かれてありました。

 

現在のコロナ社会が見直すべき新たなライフスタイルは、様々な先人の知恵に立ち返り、自分ごとにして、見つめ直すことが必要だと思います。

自然との関わり方、人々の自然観のあり方、失われた人間性を取り戻す必要があると感じるこの頃です!


2021-01-01 09:33:00

 謹賀新年

 

 昨年は、新型コロナのパンデミックで、これまでの地球環境に対するライフスタイルを見直すことを考えさせられる一年でした。

 地球上に生きる私たちの健康、私たちを取り巻く、生きとし生けるものの健康、そして、これからの地球生命系の健康がどうあるべきか?

 一つの見方として、これまでは「地の時代」で、これからは「風の時代」と聞くことがあります。

 風の時代は、自分の頭で考えて自分の意思で能動的に行動する時代になります。

 ネットで見ると様々な解説があるようですが、12星座の4元素分類で見ると「火:牡羊座・獅子座・射手座」「地:牡牛座・乙女座・山羊座」「風:双子座・天秤座・水瓶座」「水:蟹座・蠍座・魚座」に分けられるとのこと。

 あえて信じて、私は“天秤座”ですから風の時代とマッチングする訳です。

 そう言えば、年末に「風の谷のナウシカ」を見ました(笑)

 風の時代にリアル・コンサベーションの活動が風のごとく、駆け抜ける一年にしたく思います。

 今年もよろしくお願い申し上げます。

 

 一般社団法人 リアル・コンサベーション

 代表理事 草刈秀紀

 


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